待合室のWi-Fi、院内の仕事用ネットワークと分かれていますか。
患者さん用のWi-Fiと業務用ネットワークの分け方を、総務省の手引きに沿って整理します。新しい事件の速報ではありません。
患者さん用のWi-Fiは、どの回線につながっていますか
本稿は2026年9月21日に確認した公式資料に基づく実務解説で、新しい事件の速報ではありません。総務省の「Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き」(令和7年2月版)には、経費を抑えるために業務用のネットワークを使って宿泊者向けWi-Fiを提供したホテルで、事務室のコピー機に保存されたファイルが宿泊者のパソコンから見える状態になっていた、という脅威シナリオが挙げられています。待合室に患者さん用のWi-Fiを置いている医療機関にも通じる話です。
「分ける」とは、具体的にどうすることか
同手引きは、自組織で業務用に利用しているネットワークを使って公衆Wi-Fiを提供することは避けるよう案内しています。方法としては、物理的に異なるネットワークを構築する「物理分離」と、VLAN技術などで論理的に別のネットワークを構築する「論理分離」が挙げられています。インターネット接続回線を共用する場合は、パケットフィルタやファイアウォールなどで分離を確実に行うこととされています。院内の配線や機器構成によって実現方法は変わるため、まずは患者さん用のWi-Fiがどの機器につながっているかを確認するところからです。
つないだ人同士も、つながらないように
手引きでは、同じWi-Fiに接続した端末同士が相互に通信できる状態は、不特定多数が使う環境ではセキュリティ上の問題になりかねないと説明され、相互通信を禁止する機能(プライバシーセパレータ、クライアントアイソレーションなどと呼ばれます)を目的に応じて設定するよう案内されています。暗号化はWPA2またはWPA3を使うこととされ、暗号化キーを掲示して誰もが知りうる状態にするリスクにも触れています。必要とする人に個別に渡す、定期的に変更するといった運用が示されています。
設定を変える前に、確認から
ここで挙げた項目は、設定ひとつで診療中の通信が止まることもある箇所です。思いつきでルーターを初期化したり、院内ネットワークをまとめて変更したりせず、構成を把握している保守担当者と、作業する時間帯と元に戻す手順を決めてから進めてください。電子カルテやレセコンにつながる機器は特に慎重に扱いましょう。現状の確認だけでも構いませんので、判断に迷う点は私たちアイジェイネットにもご相談いただけます。
出典・確認元
- 総務省:安全な公衆Wi-Fiの提供に向けて Wi-Fi提供者向けセキュリティ対策の手引き(令和7年2月版) ↗
- 総務省:無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について ↗
- 総務省:安全な無線LANの利用(国民のためのサイバーセキュリティサイト) ↗
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