ノートパソコンのバッテリー、膨らんでいませんか。充電器の事故が過去最多です。
製品事故を集めている国の機関(NITE)の最新の報告書で、2025年度にいちばん事故が多かった製品群は「充電器」でした。長く使っているノートパソコンや、予備に置いてあるモバイルバッテリーは、院内のどこかに必ずあるはずです。本日新しく公表されたニュースではなく、2026年5月に公表された報告書と、すでに出ている注意喚起に基づく、トラブル予防のための実務解説です。
もとにした資料と、この記事の位置づけ
今日もとにしたのは2つの公式資料です。独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が2026年5月に公表した「2025年度 事故情報収集報告書」(2026年4月30日時点の集計)と、同じくNITEが2025年6月26日に出した「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故に関する注意喚起。いずれも本日新しく公表されたものではありません。院内の機器を一度見渡すきっかけとして、確認できた数値と呼びかけの内容だけを整理しました。
2025年度は「充電器」が1位、「バッテリー類」が2位
報告書の「過去5年間の事故発生件数上位10製品群」を見ると、2025年度は1位が「充電器」で188件、2位が「バッテリー類」で145件でした。前の2024年度は1位がバッテリー類147件、2位が充電器120件ですから、順位が入れ替わって充電器が最多になったことになります。報告書は、家庭用電気製品の事故が2021年度以降は増加傾向にあり、2025年度は全体の74.0%を占めること、その理由が充電器等の増加であること、そして充電器の事故の多くがリチウム電池内蔵充電器によるものであることを記しています。「パソコン」も49件で7位に入っています。院内にある機器と無関係な話ではありません。
事故の約85%は火災になっています
NITEの2025年6月26日の注意喚起によると、2020年から2024年までの5年間に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1860件あり、その約85%(1587件)が火災に発展しています。事故は気温の上昇とともに春から夏にかけて増え、6月から8月にピークを迎えるとされています。防ぐための3つのポイントとして挙げられているのは、連絡先が確かなメーカーや販売店から購入してリコール情報を確認すること(安価な非純正バッテリーのリスクを理解すること)、高温下に放置せず強い衝撃を与えないこと、充電・使用時はときどき様子を見て異常を感じたらすぐに中止することです。万一発火した場合は、大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で119番通報するよう案内されています。
院内で今日できること、やらないほうがよいこと
今日できるのは、置き場所と見た目の確認です。受付のノートパソコン、訪問や会議に持ち出すパソコン、引き出しに入れたままの予備のモバイルバッテリーや充電器が、直射日光の当たる窓際や暖房の吹き出し口の前、書類の山の下に置かれていないか。本体やバッテリーが膨らんで浮いていないか、キーボードやタッチパッドが持ち上がっていないか、充電中に熱くなりすぎていないか。見るだけなら数分です。異常に気づいたら、その機器の充電と使用をやめて電源から外し、保守を委託している事業者に連絡してください。自分で分解したり、膨らんだバッテリーを無理に取り外したりするのは避けてください。また、電子カルテやレセコンにつながっている端末は、業務を止めずに入れ替える段取りが要りますので、代替機の手配を含めて事業者と相談してから動かすのが安全です。手持ちの機器がリコール対象かどうかの確認や、古い端末の入れ替えの順番づけは、アイジェイネットでもご相談を承っています。
出典・確認元
- 製品評価技術基盤機構(NITE):2025年度 事故情報収集報告書(2026年5月公表) ↗
- 製品評価技術基盤機構(NITE):2025年度 事故情報収集報告書 本文(PDF) ↗
- 製品評価技術基盤機構(NITE):『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心~「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント~(2025年6月26日) ↗
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