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ネットワーク / 公式資料に基づく実務解説・トラブル予防

院内のパソコン、時計はそろっていますか。何かあったとき、記録を突き合わせられません。

掲載 2026.10.03情報確認 2026.10.03

受付のパソコン、診察室のパソコン、レセコン。それぞれの時計が数分ずれていても、ふだんは誰も困りません。困るのは、トラブルが起きて「何時に何が起きたか」を順番に並べたいときです。本日新しく公表されたニュースではなく、厚生労働省のガイドライン第7.0版、情報通信研究機構(NICT)の公開NTPサービス、マイクロソフトの技術資料に基づく、トラブル予防のための実務解説です。

もとにした資料と、この記事の位置づけ

今日もとにしたのは3つの公式資料です。厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(システム運用編)」(令和8年6月)、情報通信研究機構(NICT)の公開NTPサービスの案内、マイクロソフトの「Windows タイム サービス(W32Time)」の技術資料。いずれも本日新しく公表されたものではなく、すでに公開されている資料です。平常時に一度確認しておく話としてお読みください。

ガイドラインは「時刻をそろえること」を求めています

ガイドラインのシステム運用編には、証跡のレビュー・システム監査の遵守事項として、「ログの記録に用いる時刻には、信頼できる情報を利用すること。利用する時刻情報は、医療機関等の内部で同期させるとともに、標準時刻と定期的に一致させる等の手段で診療事実の記録として問題のない範囲の精度を保つ必要がある」と書かれています。さらに本文では「ログの正確性を保つため、記録する時刻の精度も重要である。精度の高いものを使用し、管理対象の全てのシステムで同期を取ること」とされています。つまり、院内の機器どうしでそろっていることと、日本の標準時に合っていることの両方が要る、ということです。

時計は、どうやって合っているのか

パソコンの時計は、放っておけば少しずつずれていきます。そこで、ネットワーク越しに正しい時刻をもらう仕組み(NTP)が使われます。マイクロソフトの資料では、Windows タイム サービスがNTPを使ってネットワーク上のコンピューターを同期すること、ドメインに参加している多くの端末はドメインの階層から時刻をもらい、その起点となるサーバーが外部の時刻源と同期するよう構成されるのが一般的であることが説明されています。外部の時刻源としてよく使われるのが、NICTが提供している「ntp.nict.jp」です。NICTによれば、これは日本標準時に直接同期したstratum 1のサーバーです。ただしNICTは、インターネット経由では経路の状況によって精度が変わるため、利用者側の精度までは保証できない、とも注意しています。

院内で確認できること、触らないほうがよいこと

今日できるのは、受付・診察室・事務室のパソコンの画面右下の時計を見比べることです。数分単位でずれている端末があれば、それはログの突き合わせが必要になったときに効いてきます。あわせて、電子カルテやレセコンの記録に出る時刻が、その端末の時計と一致しているかも見ておいてください。ずれを見つけても、その場で時計を手で直したり、時刻サーバーの設定を変えたりするのは避けてください。オンライン資格確認の端末や電子カルテの端末は、接続できる先があらかじめ決められていることが多く、外部の時刻サーバーに出られない構成になっている場合があります。設定を触ると、別の通信まで止まることがあります。見つけたことをメモして、保守を委託している事業者に「この端末の時刻同期はどうなっていますか」と聞くところまでが、院内でやる範囲です。どの端末がどこと同期しているのかの整理や、保守事業者への確認事項のまとめは、アイジェイネットでもご相談を承っています。

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