遠隔サポート ↗
ネットワーク / 公式資料に基づく実務解説・トラブル予防

無線LANが遅い、時々切れる。犯人は「電波」かもしれません。

掲載 2026.09.30情報確認 2026.09.30

院内の無線LANが遅い、決まった時間だけつながらない——そんなときは、機器の故障や回線の速度ではなく、電波どうしのぶつかり合いが原因のことがあります。本日新しく発表されたニュースではなく、総務省のサイトで公開されている「医療機関における安全な電波利用を目指すためのチェックリスト」(令和5年12月)と、電波環境協議会の「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(平成28年4月発行、令和3年7月改訂)をもとに、受付や事務の方でも確認できるところを整理しました。

もとにした資料と、この記事の位置づけ

今日ご紹介するのは、総務省のウェブサイトに掲載されている「医療機関における安全な電波利用を目指すためのチェックリスト」(令和5年12月、東海地域の医療機関における電波利用連絡推進協議会)です。このチェックリストは、電波環境協議会が出している「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(平成28年4月発行、令和3年7月改訂)をより活用してもらうために作られた、と冒頭に書かれています。いずれも本日新しく公表されたものではありません。新しい事件や脆弱性の話ではなく、すでに公開されている公式資料をもとにした、トラブル予防のための実務解説としてお読みください。

覚えておくとよい電波の性質は3つだけ

チェックリストは、トラブルの原因を絞り込むために知っておくとよい電波の性質を3つ挙げています。1つめは、発射源から離れるほど弱くなること。距離の2乗に比例して弱まるので、1メートルの場所と2メートルの場所では強さが4分の1になります。2つめは、干渉が起こること。同じか近い周波数の電波が重なると打ち消し合い、通信エラーや途切れが起きます。3つめは、金属で反射されること。木の壁ならある程度通り抜けますが、鉄の扉や鉄筋に囲まれた部屋では反射されて届かなくなります。無線LANが「この部屋だけ弱い」「この時間だけ遅い」といった偏り方をしているなら、この3つのどれかで説明がつくことが多いと考えられます。

まずは数えて、書き出すところから

チェックリストは、電波管理の第一歩は現状の把握だとして、院内にある電波を使う機器の種類と台数、設置場所と使える範囲、それぞれの管理者が決まっているか、購入や保守・更新の情報を一か所で管理できているか、必要なときにすぐ参照できるか、といった項目を挙げています。無線LANのアクセスポイントのほか、無線式ナースコール、離床センサ、業務用のスマートフォンなども対象です。また、無線LANや医用テレメータは使うチャネル(周波数)の管理が必要な機器で、その設定を納入業者やネットワーク工事業者に任せている医療機関が多い、とも書かれています。任せること自体は問題ありませんが、どの業者が何を管理しているかを院内で共有しておかないと、不具合が出たときに連絡先が分からず時間がかかります。

「おかしい」に気づくためのチェック項目

チェックリストには、当てはまったら要注意という項目が並んでいます。無線LANの速度が以前より極端に遅くなった、通じない場所がある、毎日決まった時間になるとつながりにくくなる、特定の機器を使うと別の機器が使えなくなる、といったものです。周囲の環境についても、金属製の扉や壁がある、院内のテナントに管理外の無線LANがある、最近照明をLEDに換えた、近くに工場がある、といった項目が挙げられています。さらに、職員や来院者が無断で持ち込む無線LANルーターやゲーム機が原因のトラブルが増える傾向にある、との記述もあります。持ち込みのルールを決めて掲示するだけでも効果が期待できます。なお、こうした確認のために機器を初期化したり、院内ネットワークの設定をまとめて変更したりするのは避けてください。まずは症状が出る場所・時間帯・機器をメモに残し、保守を委託している事業者に見てもらうのが近道です。自院の電波環境の棚卸しや、業者との窓口整理については、アイジェイネットでもご相談を承っています。

環境によって必要な対応は異なります。
自分の環境について相談する ↗
← 一覧に戻る
お問い合わせフォーム↗
052-655-6277アイジェイネット株式会社