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ネットワーク / 注意喚起

待合室のテレビやネットワークカメラが、他人の犯罪の「出口」にされる。10月2日に総務省が提言を公表しました。

掲載 2026.10.12情報確認 2026.10.12出来事・発表 2026.10.02

総務省が2026年10月2日、「家庭用IoT機器を悪用するレジデンシャルプロキシの対策について(提言)」を公表しました。家庭や事業所に置かれた機器に不正なプログラムが仕込まれ、そこを経由して不正送金や不正アクセスが行われる、という話です。提言が引用している警察庁の報告では、ネットバンキングの不正送金の被害件数のうち約44%でこの仕組みが使われていました。パソコンやルーターだけでなく、テレビにつなぐ機器やカメラも対象になります。

何が公表されたのか

総務省は2026年10月2日、「家庭用IoT機器を悪用するレジデンシャルプロキシの対策について(提言)」を、意見募集の結果とあわせて公表しました。意見募集は2026年7月22日から8月4日まで行われ、22件の意見が提出されています。聞き慣れない「レジデンシャルプロキシ」という言葉は、提言の中でこう説明されています。家庭用の動画ストリーミングデバイスをはじめとするIoT機器に、外部からの通信を中継する不正なプログラムが仕込まれる。その機器は、契約している通信会社(ISP)から割り当てられた家庭用のIPアドレスを使って通信を中継する。だから、攻撃する側から見ると「ごく普通の家庭の回線から出てきた通信」に見える、というわけです。サイバー攻撃の基盤として認識され始めたのは2020年ごろから、とされています。

どれくらい使われているのか

提言は、警察庁が2026年3月に公表した報告を引用しています。令和6年中に発生したインターネットバンキングに係る不正送金事犯は、被害件数4,369件、被害額およそ86.9億円。このうち、犯行時にレジデンシャルプロキシが用いられたものが少なくとも1,918件、被害額でおよそ28.9億円にのぼり、件数の約44%、被害額の約33%を占める、という数字です。なお、これは「家庭の機器が乗っ取られて、金融犯罪の中継地点に使われていた」という話であって、その家庭や事業所のお金が直接盗まれたという意味ではありません。機器の持ち主は、気づかないまま加害の側に巻き込まれる立場になります。提言は、現在見えている金銭的被害は氷山の一角と考えられる、とも述べています。

なぜ気づきにくいのか、院内でいうとどの機器か

提言は、対策が容易でない理由を4つ挙げています。IoT機器は建物の中のLANにあるため利用者が気づかなければ対策が進まないこと、巧妙な方法で仕込まれるため利用者が悪用に気づけないこと、国内の家庭用IPアドレスを使うため海外からのアクセスを制限しているサーバにも接続できてしまい、狙われた側も防ぎにくいこと、そして機器の製造から不正プログラムの開発、指令を出すサーバの運営までが多層的に分かれていて、責任の所在がはっきりしないことです。医院に置き換えると、待合室のテレビにつないだストリーミング端末、ネットワークカメラ、デジタルサイネージ、古い無線ルーター、設置したまま忘れているネットワーク対応の機器。パソコンのようにウイルス対策ソフトの画面を開いて確認する、という使い方をしない機器ほど、当てはまりやすいと言えます。

これから起きること、今できること

提言が挙げている対策例のうち、医院に関係してくるのは2つです。1つは、被害の申告を受けた警察から通信業界団体、ISPへと情報が共有され、ISPが該当する契約者に個別に注意喚起を行う、という流れ。もう1つは、指令を出すサーバの名前をISPのDNSで遮断する、という仕組みです。つまりこの先、契約している回線業者から「お宅の回線から不審な通信が出ています」という連絡が届く可能性があります。届いたら放置せず、ただし、その連絡が本物かどうかは必ず確認してください。折り返しの電話は、相手が伝えてきた番号ではなく、契約書や請求書に書かれている番号へかけるのが安全です。今日できる準備としては、院内でネットワークにつながっている機器を書き出しておくこと。機種名、置き場所、誰が入れたか、保守の連絡先。この4つが分かっていれば、連絡が来たときに調べる先がすぐ決まります。機器の初期化や院内ネットワークの設定変更は、原因が分からないうちに行うとかえって復旧が遅れますので、触る前に保守の委託先かIT担当者に相談してください。こうした機器の棚卸しや、連絡が来たときの確認の進め方については、アイジェイネットでもご相談を承っています。

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