10月30日に「ヤマハのルーターは対象外」とお伝えしました。あれは別件で、無線LANルーター「NWR100」には10月28日付で脆弱性の情報が出ています。
10月30日に、ヤマハのUTM機器「UTX200/UTX100」の脆弱性を取り上げ、そのときに「ヤマハのルーターは対象外です」と書きました。この記述自体はUTXの件について正しいのですが、同じ10月28日に、無線LANルーター「NWR100」について別の脆弱性が公表されています。こちらは対象です。混同しやすいので、何が別件なのかを整理します。対策はファームウェアをRev.26.00.08以降にすることで、この版自体は2026年7月に出ていたものです。
公表されたのは2件の脆弱性
JVNとヤマハのFAQで10月28日に公表され、翌29日に更新されています。対象は無線LANルーターNWR100のファームウェアRev.26.00.07およびそれ以前です。1件目はOSコマンドインジェクション(CVE-2026-97854)で、特定のリクエストを送られると任意のOSコマンドを実行されるおそれがあります。CVSS v3.1の基本値は9.8と高い部類です。2件目(CVE-2026-109822)は、エクスポート機能で作ったCONFIGファイルを認証なしで読み取られるおそれで、同6.5です。
前回の記事との関係
10月30日に扱ったUTX200/UTX100の脆弱性と、今回のNWR100の脆弱性は、公表日が同じだけで別のものです。ヤマハのFAQには、今回の件について「他のヤマハ製ルーター、UTM製品、無線LANアクセスポイント、L2/L3スイッチは対象外」と書かれています。ヤマハ製だから危ない、という話ではなく、型番がNWR100かどうかで決まります。なお同じ10月28日には、YMS-VPN8/YMS-VPN8-CPとYamaha LAN Monitor for Windowsについても別の脆弱性が公表されています。
どこから届く話なのか
ヤマハのFAQによれば、設定画面(Web GUI)は初期状態ではインターネット側から開けません。狙われうるのは、ポート開放などでWeb GUIを外に出している場合です。一方、無線LANや院内LANにつながった端末からは設定画面に届きます。待合室の無線LANを同じ機器で出している施設では、ここが実質的な入り口になります。ただし、その場で無線LANを止める必要はありません。
自院で確認すること
まず、院内のネットワーク機器にNWR100があるかどうかです。無ければここで終わりです。ある場合は、ファームウェアのリビジョンがRev.26.00.08以降かを確認してください。この版は2026年7月に公開されていたもので、リリースノートに脆弱性対応の記載が追記されたのが10月です。夏以降に更新していれば、すでに直っている可能性があります。すぐ更新できない場合、ヤマハはWeb GUIにアクセスできる端末や接続元をIPアドレスで絞ることを挙げていますが、これは回避策であって修正ではありません。更新中は通信が一時的に切れますので、実施の時間帯も含めて保守の担当者にご相談ください。機器の棚卸しや更新の段取りは、アイジェイネットでもご相談を承っています。
出典・確認元
- JVN:ヤマハ製NWR100における複数の脆弱性(JVNVU#91027179。対象はNWR100 ファームウェア Rev.26.00.07 およびそれ以前、CVE-2026-97854がOSコマンドインジェクションでCVSS v4.0 9.3/v3.1 9.8、CVE-2026-109822がCONFIGファイルを認証なしで読み取られる問題でCVSS v4.0 7.1/v3.1 6.5、対策はRev.26.00.08以降、回避策はWeb GUIへのアクセス制限・送信元IPアドレスのフィルタリング、公開日2026年10月28日であることを2026年11月2日に確認) ↗
- ヤマハ:JVNVU#91027179 で公開された脆弱性について(対象はNWR100のみで他のヤマハ製ルーター・UTM製品・無線LANアクセスポイント・L2/L3スイッチは対象外であること、Web GUIは初期設定ではインターネットからアクセスできずポート開放等を行っている場合に限られること、無線LAN・LAN接続の端末からは到達しうること、対策がRev.26.00.08、公開日2026年10月28日・更新日2026年10月29日であることを2026年11月2日に確認) ↗
- ヤマハ:NWR100 Rev.26.00.08 リリースノート(2026年7月リリース、拠点間接続VPN機能の追加などとあわせて「Web GUIに関する以下の脆弱性対応を行った」としてCVE-2026-97854・CVE-2026-109822が挙げられていること、この脆弱性対応の記載が2026年10月に追記されたことを2026年11月2日に確認) ↗
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