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公費・医療費助成 / 続報

子ども医療費などの自治体独自の助成を、レセコンが自動で計算するための「地単公費マスター」。確定事業一覧が10月26日時点版に更新されました。

掲載 2026.10.27情報確認 2026.10.27出来事・発表 2026.10.26

10月18日に取り上げた共通算定モジュールの続きです。あのとき触れなかった前提が一つあります。自治体が独自に設けている医療費助成(いわゆる地単公費)の患者負担金を計算するには、その制度の条件をデータ化した「地単公費マスター」が整っている必要がある、という点です。そのマスターの確定事業一覧が、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(旧 社会保険診療報酬支払基金)のサイトで令和8年10月26日時点版に更新されました。あわせて、医療機関側が気をつける点が1行だけ明記されています。

対象

レセプトコンピュータで地単公費を扱っている医療機関・薬局が対象です。地単公費とは、子ども医療費助成、障害者医療費助成、ひとり親家庭等医療費助成など、自治体が独自に設けている医療費等助成制度を指します。ただし、マスターの対象になるのは併用レセプトまたは連記式医療費明細書による現物給付の制度に限られ、患者さんがいったん窓口で支払ってあとから自治体に請求する償還払いの制度は含まれない、と機構のページに明記されています。顔認証付きカードリーダーや資格確認端末を入れ替える話ではなく、機器構成を変えるものではありません。

期限について

医療機関側の対応期限は、今回確認した資料には記載がありませんでした。期限が定められているのは自治体側です。新たな医療費助成事業を開始する場合や既存の制度を変更する場合、自治体は地単公費マスター事業登録ヘルプデスクへ連絡したうえで、原則として変更6か月前の月末までにWebフォームで更新する、とされています。これは令和6年3月29日発出の事務連絡で示された取扱いだとFAQに書かれています。自院のレセコンがいつ地単公費マスターを使った計算に対応するかは、契約中のベンダーによって異なりますので、個別にご確認ください。

何のためのマスターか

機構のページには、地単公費マスターは受給者証の券面に書かれている事項の要件を適用して患者負担金を計算できるよう作成している、と説明されています。「地単公費マスターの整備について」(資料、令和8年10月1日版)には、共通算定モジュールにおける患者負担金の計算には、自治体が独自に設けた医療費等助成制度の情報を取りまとめた地単公費マスターの整備が必要となる、と書かれています。つまり共通算定モジュールが点数を計算したあと、窓口でいくら頂くかを出すところで、この自治体ごとのデータが効いてきます。助成の内容は自治体ごとに細かく違いますので、ここが揃っていないと計算ができない、という構造です。なお共通算定モジュールの利用そのものは義務ではなく、医科・DPC向けの本格運用は令和8年6月1日に始まっています。

10月26日時点版として公開されているもの

機構のサイトで公開されているのは、「地単公費マスター確定事業一覧(令和8年10月26日時点)」です。ExcelとCSV(UTF-8、コンマ区切り)の2形式で、それぞれ約5MBと約10MBあります。確定事業一覧とは、各自治体が登録を済ませて確定させた助成制度の一覧です。あわせて、登録の仕組みに関する資料一式も同じページに置かれています。基本操作マニュアル、項目一覧、項目入力要領、入力例、FAQの5点で、いずれも自治体の登録担当者向けの内容です。医療機関が読む必要があるものではありませんが、自院の地域の制度が一覧に載っているかどうかを確認したい場合は、確定事業一覧のファイルを開けば分かります。

医療機関向けに1行だけ書かれている注意書き

確定事業一覧のリンクのすぐ上に、医療機関とベンダーに向けた但し書きがあります。各医療機関およびベンダー各社が医事会計システム(レセプトコンピュータ)において地単公費マスターを利用する場合は、同値性テストなど必要な検証を実施したうえで利用してほしい、という内容です。同値性テストとは、同じ条件で計算させたときに従来の結果と一致するかを確かめる検証のことです。公開されているマスターをそのまま使えば自動的に正しい金額が出る、という前提では案内されていない点が重要です。実際の検証を行うのはレセコンのベンダー側ですので、医療機関としては、自院のレセコンが地単公費マスターを使う仕組みに切り替わる時期と、そのときの検証をどちらがどう行うのかを、ベンダーに確認しておくのが現実的です。

更新の反映と、確認できなかったこと

FAQには、自治体が確定登録したデータは日次でデータ連携する予定、と書かれています。ただし日次連携の開始時期については追って案内する、という状態のままです。また、制度登録時に自治体が設定した公費有効期間の期間外の請求には、そのデータは計算に使われない、という注意もあります。なお、FAQの表記は令和8年10月1日時点のファイルでも「令和8年6月(予定)以降、共通算定モジュールを利用した患者負担金計算において利用されます」のままで、予定表記が残っています。実際にどこまで反映されているかは、この資料だけでは確認できませんでしたので、ここでは断定しません。自院の窓口計算に影響が出るかどうかを知りたい場合は、レセコンのベンダーに照会してください。マスターの登録そのものに関する問い合わせは、Webフォームから機構(審査支払システム開発部 診療報酬改定DX課)が受け付けています。レセコンの切り替え時期や確認すべき点の整理についてご相談があれば、アイジェイネットでもお手伝いできます。

出典・確認元

情報は確認日時点の内容です。最新の対象製品・手順・条件はリンク先でご確認ください。

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