電子カルテ情報共有サービスで共有する情報に「健診に関する情報」が加わりました。10月16日に公布され、同じ日に施行された省令です。
令和8年10月16日、「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(令和8年厚生労働省令第148号)が公布され、同日施行されました。厚生労働省政策統括官(情報政策担当)から都道府県知事等あてに通知(政情発1016第5号)が出され、同日付の事務連絡で関係団体に周知されています。改正の中身は、電子カルテ情報共有サービスで扱う「電子診療録等情報」に健診に関する情報を追加することです。当サイトで10月23日にお伝えした送付方法の通知とは別の文書で、こちらは根拠となる省令そのものの改正です。
病院、診療所、薬局のうち、電子カルテ情報共有サービスの導入を検討している施設、および健診を実施している施設が関係します。ただし今回の省令は、国の制度の枠組みを定めるものです。本日時点で、医療機関に新しい申請や設定変更を求める記載は、通知にも事務連絡にもありません。すでに電子カルテ情報共有サービスを使っている施設、これから検討する施設のいずれも、この省令だけを理由に何かを急ぐ必要はありません。
期限について省令の施行期日は「公布の日(令和8年10月16日)」です。医療機関側の提出期限や対応期限は、この通知には記載がありません。なお、電子カルテ情報共有サービスの実装時期については、厚生労働省が公表している技術解説書v2.1.0に、次版が公表されるまでの間はモデル事業を除き本書に基づく実装・導入は控えるよう明記されており、次版は令和8年度冬頃の公表予定とされています。自院のスケジュールに関わる期限は、電子カルテやレセコンの事業者と原典で個別にご確認ください。補助の金額や条件は今回の通知に記載がないため、この記事では触れていません。
10月16日付で、2本出ています
文書番号で区別すると分かりやすくなります。当サイトが10月23日に取り上げたのは「政情発1016第6号」で、電子処方箋管理サービスと電子カルテ情報共有サービスを使って情報を送る方法を定めた通知でした。今回ご紹介するのは「政情発1016第5号」です。差出人はどちらも厚生労働省政策統括官(情報政策担当)、日付も同じ令和8年10月16日ですが、第5号のほうは省令そのものの公布と施行を知らせる文書です。同日付で厚生労働省政策統括官付医療情報連携担当参事官室から別記団体あてに事務連絡が出ており、「貴下団体会員等に対する周知方よろしくお取り計らい願います」として、日本医師会や日本病院会などを通じて会員施設へ届く流れになっています。
改正の趣旨と、追加された4点
通知の「第1 改正の趣旨」には、医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)により法律が改正され、電子診療録等情報を全国の医療機関等の間で共有できるよう電子カルテ情報共有サービスの構築を進めているところ、検討会のワーキンググループ等での検討を踏まえ、医療DXの推進を図るため所要の改正を行う、と書かれています。「第2 改正の内容」は4点です。1つ目、法第12条の3第1項に規定する電子診療録等情報に、健診に関する情報を追加する。2つ目、それに伴い、国民による閲覧、医師等への提供、医師等による閲覧を可能とする情報にも健診に関する情報を追加する。3つ目、医療保険者等について、健診実施時点でその医療保険者等の被保険者等である者の健診に関する情報に限って、提供または閲覧を可能とする規定を新設する。4つ目、健診に関する情報の利用について、健診を受診した者の同意が得られた場合を、省令で定める場合に追加する。
「同意」が条件に入っている点
読み落としやすいのが4つ目です。健診に関する情報の利用については、健診を受診した本人の同意が得られた場合という条件が、省令で定める場合として加えられています。電子カルテ情報共有サービスは、厚生労働省の説明では、各種健診結果を医療保険者および全国の医療機関等や本人等が閲覧できるサービスと位置づけられています。今回の改正で、その「健診結果」を共有する法令上の裏付けが整理された、という読み方になります。受付での同意の取り方が今日から変わるわけではありません。実際の画面や運用の手順は、サービスの仕様が確定したあとに示される性質のものです。現時点で分かっているのは枠組みまでで、それ以上は書けませんので、ここで止めておきます。
院内ですること、しなくてよいこと
しなくてよいことから。今回の省令を理由に、設定を変える、端末を再起動する、申請をやり直す、同意書の様式を作り直す、といった作業は発生しません。通知にも事務連絡にも、医療機関に対する具体的な作業の指示はありませんでした。一方、覚えておくと役に立つのは、電子カルテやレセコンの事業者との打ち合わせの場面です。電子カルテ情報共有サービスの対象情報に健診が入った、という前提が共有できていれば、次版の技術解説書が出たときに「自院は何を登録することになるのか」という話が早く進みます。健診を実施している施設では、健診システムと電子カルテが別々になっていることもあります。どちらの側で対応する話なのかは施設ごとに違いますので、一律の答えはありません。自院の構成を整理したうえで事業者に聞きたい、という段階であれば、アイジェイネットでもご相談を承っています。
出典・確認元
- 厚生労働省:事務連絡(令和8年10月16日)および通知 政情発1016第5号「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布及び施行について」(全日本病院協会の医療行政情報ページ掲載のPDF。令和8年厚生労働省令第148号、改正の趣旨・内容4点、施行期日は公布の日、新旧対照表を含む) ↗
- 厚生労働省:電子カルテ情報共有サービス(医療機関等向け)。各種健診結果を医療保険者および全国の医療機関等や本人等が閲覧できるサービスである旨の説明、技術解説書v2.1.0・概要案内v2.1などの掲載ページ ↗
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