電子処方箋の導入補助、医療機関は令和9年3月末まで延長されました。薬局は9月で終了です。
当サイトでは9月26日に「電子処方箋の導入補助は補助対象の導入期限が令和8年9月まで」とお伝えしました。その後、令和8年9月29日付の厚生労働省の事務連絡で取り扱いが変わりましたのでお知らせします。変わったのは2点です。医療機関向けの接続支援(電子カルテの改修)は、期限が令和8年9月30日から令和9年3月31日まで延長されました。一方で薬局は、補助対象とする導入期限が令和8年9月までで終了となりました。同じ補助金でも、医療機関と薬局で結論が分かれています。
電子処方箋をこれから導入する病院・診療所が対象です。電子カルテを電子処方箋管理サービスにつなぐための改修費用が補助の対象になります。薬局は、今回の延長の対象ではありません。すでに電子処方箋を導入している医療機関・薬局は、別枠の「電子処方箋の機能拡充の促進事業」で院内処方機能を追加した場合の補助が引き続き実施されていますので、こちらは終了していません。
期限について医療機関の補助対象とする導入期限は令和9年(2027年)3月31日です。令和8年9月29日付の事務連絡に「その期限が令和8年9月30日であったところ、令和9年3月31日まで延長する」と明記されています。薬局は令和8年9月までで終了です。令和9年4月以降の取り扱いは「電子カルテの普及計画等を踏まえ、改めて検討する」とされており、現時点では決まっていません。申請に必要な書類や自院の補助額は施設の区分と導入する機能によって変わりますので、医療機関等向け総合ポータルサイトの補助金関連ページでの個別確認が必要です。
何が変わったのか
令和8年9月29日、厚生労働省政策統括官付医療情報連携担当参事官室から各団体あてに「令和8年10月以降の電子処方箋の導入補助について」という事務連絡が出されました。医療情報化支援基金(ICT基金)による電子処方箋の導入補助は、前年度に補助対象とする導入期限を令和8年9月まで延長したうえで運用されてきました。今回の事務連絡では、このうち医療機関向けの電子処方箋管理サービスへの接続支援、つまり電子カルテの改修にかかる部分について、期限を令和9年3月31日まで延長すると示されています。添付資料にも「補助対象とする導入期限を令和9年3月まで延長し、施設への補助を引き続き実施する」と書かれています。薬局については「補助対象とする導入期限を令和8年9月までで終了する」と明記されました。9月末であきらめた、という医療機関にはもう一度検討する時間ができた形です。
診療所の補助額(事務連絡の添付資料より)
添付資料には施設区分ごとの上限額が示されています。令和8年10月以降に導入する診療所の場合、院外処方機能(基本機能+追加機能)で上限27万1千円、事業額54万2千円を上限にその2分の1。院内処方機能も加えると上限35万9千円、事業額71万7千円を上限にその2分の1とされています。いずれも令和8年9月までに導入した場合と同じ額です。ここでいう追加機能とは、リフィル処方箋、口頭同意による重複投薬等チェック結果の閲覧、マイナンバーカードによる電子署名対応、処方箋ID検索を指すと注記されています。なお、この額はあくまで上限であり、実際にいくら受け取れるかは見積額と申請内容によって変わります。自院の数字として扱う前に、必ず原典とポータルサイトでご確認ください。
令和9年度に向けて、国が検討していること
同じ事務連絡には、今後の方針として注意すべき一文があります。厚生労働省は、電子カルテ・電子処方箋管理サービス・電子カルテ情報共有サービスの一体的な導入を進める観点から、令和9年度に①厚生労働省において認証されたクラウドネイティブ型電子カルテ製品の導入支援、②政府の医療DXサービスへの接続機能を持つ「パッケージ版電子カルテ製品」の導入支援(電子カルテ更改時)を検討している、とされています。いずれも製品側に電子処方箋管理サービスへの接続機能を持たせることを要件とする予定、との注記付きです。ただしこれは検討段階の話で、内容も時期も確定していません。背景には令和8年9月9日に公表された「電子カルテ普及計画」があります。電子カルテの入れ替えを近く考えている施設は、今の補助で急いで改修するか、来年度の支援を待つかという判断が出てきます。
自院で確認すること
手順は3つです。1つ目、自院が電子処方箋をまだ導入していないなら、今お使いの電子カルテが電子処方箋管理サービスにつながる製品かどうかを、ベンダーに確認してください。2つ目、つながるなら改修の見積りと作業時期を聞き、令和9年3月31日までに導入を終えられるかを逆算してください。年度末は作業が立て込みますので、余裕は早めに確保しておくほうが確実です。3つ目、電子カルテ自体の入れ替えを検討中なら、令和9年度の支援内容が固まるのを待つ選択肢もあることを頭に置いてください。ここに書いたのは事務連絡と添付資料で確認できた範囲で、契約も構成も施設ごとに違いますから、そのまま当てはめずに販売元に確認してください。資格確認端末やレセプトコンピュータの設定を一律に変更する必要はありません。導入時期の見極めや見積りの読み方でお困りでしたら、アイジェイネットでもご相談を承っています。
出典・確認元
- 厚生労働省政策統括官付医療情報連携担当参事官室:令和8年10月以降の電子処方箋の導入補助について(令和8年9月29日付 事務連絡。全日本病院協会 医療行政情報に掲載) ↗
- 厚生労働省:電子カルテ普及計画(令和8年9月9日公表、令和8年9月11日更新) ↗
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