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診療情報閲覧 / 公表済み資料の解説

薬剤情報は見えるのに、診療情報が出てこない。原因が「利用設定」のことがあります。設定は医療機関・薬局側で変えられます。

掲載 2026.10.26情報確認 2026.10.26

本日あらたな発表はありませんでしたので、厚生労働省が過去に公表した3つの資料をもとに整理します。「オンライン資格確認における手術情報を含む診療情報の提供」(令和7年3月、第1.2版)、「資格確認端末における診療情報の利用設定手順書」(令和7年1月。第1.2版は令和7年2月改訂)、そして2025年3月25日に追加された参考資料「診療情報の効率的な閲覧事例」です。要点は2つあります。薬剤情報の利用設定の初期値は「利用する」ですが、診療情報と手術情報は別に設定が必要なこと。そして電子カルテが閲覧に対応していなくても、レセコンや紙で見る方法が国の資料に示されていることです。

対象

オンライン資格確認を導入済みの医療機関・薬局が対象です。特に、受付で薬剤情報は表示されるのに診療情報が出てこない施設、または診察室や調剤室で診療情報を見る運用がまだ無い施設に関係します。電子カルテや薬歴システムが閲覧機能に対応しているかどうかは問いません。対応していない場合の代替手段も、同じ資料の中で案内されています。なお、ここで扱う「診療情報」は薬剤情報とは別のものです。

期限について

今回取り上げた3つの資料に、医療機関側の対応期限は記載がありません。利用設定をいつまでに行うこと、という期限も設定されていません。診療報酬上の加算や補助金の要件として関係するかどうかは、これらの資料では確認できませんでしたので、この記事では触れていません。加算・補助の条件は年度や施設の区分によって変わりますので、厚生労働省の該当する通知や、自院の電子カルテ・レセコンの事業者に個別にご確認ください。

薬剤情報と診療情報は、設定が別になっています

厚生労働省の資料には、薬剤情報の利用設定の既定値は「利用する」になっている、と明記されています。一方で、診療情報と手術情報はそれぞれ別に利用設定を行う必要があります。ここが分かれているため、「薬剤情報は見えるから設定は済んでいるはず」と考えていると、診療情報だけが使われないまま残ります。診療情報の利用設定を行うと、レセプトから抽出された受診歴(医療機関名、受診歴)と診療実績(診療年月日、入外等区分、診療識別、診療行為名)が閲覧できるようになります。さらに手術情報の利用設定を行うと、手術実績(移植・輸血を含む)が加わります。閲覧できるようになった時期も資料に書かれており、診療情報は令和4年9月11日から、手術情報は令和5年5月11日からです。どちらも新しい話ではなく、設定が済んでいない施設が残っている、という性質のものです。

設定を見る場所

手順書に書かれている流れはこうです。資格確認端末からオンライン資格確認等システムにアクセスし、管理アカウントのユーザIDとパスワードでログインします。認証用の証明書を選ぶ画面が出たら、証明書を選んで進みます。次にメニューの「環境設定情報管理」から「環境設定情報更新」を開き、「閲覧同意の利用有無(情報の利用有無)」の欄を見ます。ここで診療情報が「利用しない」になっていれば「利用する」に変更します。手術情報も同じ欄にあり、「利用しない」であれば同様に変更します。注意点が手順書に太字で書かれています。管理アカウント以外でログインすると「環境設定情報更新」の画面そのものが表示されません。受付の担当者が普段使っているアカウントでは出てこないことがある、ということです。管理アカウントのIDとパスワードが分からない場合の案内も、同じ手順書の後半に用意されています。

電子カルテが対応していない場合の2つの方法

資料はまず、システム事業者に確認することを勧めています。診療情報閲覧機能の提供が始まった2022年の時点では未対応だった電子カルテや薬歴システムでも、現在は連携機能が実装されている可能性がある、と書かれているためです。そのうえで、連携機能に未対応の場合の代替手段が2つ示されています。Aはレセプトコンピュータを活用する方法で、レセコンの画面から診療情報を呼び出して診察・調剤を行う運用です。Bは紙に印刷して閲覧する方法で、資格確認端末やレセコンから診療情報を印刷し、受付から診察室や調剤室へ運びます。Bについては、ネットワークの制約で資格確認端末とプリンターがつながらない場合、有線接続も検討する、という補足が付いています。どちらの方法でも、受付での患者さんの同意取得(顔認証付きカードリーダー等での操作)が先に来る点は変わりません。

公開されている事例と、そのまま真似しない部分

参考資料には、実名で公開されている事例が2件載っています。1件目はピノキオ薬局 大田原店(栃木県)で、薬歴システムへの連携ができなかったため、薬歴システムの端末にレセコンを導入し、施設内のどこからでも閲覧できるようにした例です。2件目はドラッグイレブン薬局 野芥店(福岡県)で、紙に印刷する方法を採った例です。こちらは工夫が具体的で、レセコンと同じモニターからオンライン資格確認等システムを表示できるようにして受付の手数を減らす、端末のすぐ隣にコピー機を置いて動線を短くする、処方薬を載せるトレイに印刷した紙を入れて従来の業務の流れを変えずに渡す、といった内容です。いずれも薬局の例で、受付1〜2名・薬剤師2〜3名という体制が前提だと資料に書かれています。診療所や病院では人の動きも端末の置き場所も違いますので、そのまま当てはめるのではなく、考え方だけ借りるのが現実的です。自院の端末配置やレセコンの対応状況を一度整理したい、という段階であれば、アイジェイネットでもご相談を承っています。

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