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審査の差異 / ニュース

レセプト審査の都道府県差を公開する「可視化レポート」。10月19日に医科7事例が追加されました。いまは見るだけの段階です。

掲載 2026.10.20情報確認 2026.10.20出来事・発表 2026.10.19

DX審査支払機構(10月1日まで社会保険診療報酬支払基金)が、審査の都道府県ごとの差を一覧にして公開しています。そのページが10月19日に更新され、「令和8年10月19日公表分 医科7事例」が追加されました。追加された7事例はすべて「検証前」、つまり条件に当てはまるレセプトを機械的に抜き出しただけで、その差が妥当なものか不合理なものかは各都道府県の審査委員会で検証している途中、という段階です。機構は検証前レポートについて、問い合わせや再審査の申出は控えてほしいと明記しています。機器の入れ替えや期限の話ではありません。自院の請求内容を振り返る材料が1つ増えた、という位置づけです。

対象

医科の保険医療機関(診療所・病院)で、レセプト請求を担当している事務の方と院長・事務長。今回追加された7事例は医科のものです。歯科・調剤の事例は別ページ(多くの付箋がつくコンピュータチェック事例)に分かれており、そちらの直近の更新は令和8年10月1日公表分です。顔認証付きカードリーダー、資格確認端末、レセコンの入れ替えとは関係がありません。国民健康保険団体連合会(国保連合会)へ請求している分も、このレポートの対象ではありません。

期限について

期限はありません。今回確認した範囲では、医療機関が何かを届け出る、いつまでに対応する、といった締切の記載はありませんでした。ただし取扱いの注意が2つあります。1つは、検証前レポートについて「お問合せや再審査申出はご遠慮願います」と書かれていること。もう1つは、検証の結果「差異あり」とされた事例については、再審査の申出期間を原則6か月とする取扱いに基づいて対応するよう求められていること(算定誤り等の明らかな誤りを除く、とされています)。再審査の申出を考える場合は、この6か月の扱いを自院の保険請求の担当者と確認してください。

何が、いつ公表されたか

DX審査支払機構のサイトに「審査の差異の可視化レポート」というページがあります。「審査の一般的な取扱い」「審査情報提供事例」「多くの付箋がつくコンピュータチェック」について、都道府県ごとの審査の差を見えるようにし、不合理な差があれば解消に取り組む、という趣旨のものです。このうち「審査の一般的な取扱い・審査情報提供事例」のページが10月19日に更新され、医科7事例が追加されました。ページの最終更新日は2026年10月19日、見出しは「令和8年10月19日公表分 医科7事例」です。同じページには医科の全事例をまとめた一覧(ExcelとPDF)も置かれており、確認した時点で掲載されている医科の事例は206件でした。トップページの更新情報にも、10月19日付で医療機関・保険者向けとして掲載された旨が出ています。

追加された7事例

一覧表で確認できた7事例は次のとおりです。検査が5件で、心不全の疑いに対する連月のBNP又はNT-proBNPの取扱い、甲状腺機能低下症疑いに対するTRAbの取扱い、関節リウマチ疑いに対するMMP-3の取扱い、B型慢性肝炎に対するHBc抗体半定量・定量の取扱い、原発性胆汁性胆管炎の経過観察時における抗ミトコンドリア抗体定性等の取扱い。投薬が2件で、屯服薬としての逆流性食道炎に対するプロトンポンプ・インヒビター(PPI)の取扱い、大腸菌死菌浮遊液・ヒドロコルチゾン(強力ポステリザン(軟膏)等)の使用量の取扱いです。7件とも一覧表の「取扱区分」は「認めない」、レポート種類は「検証前」と記載されています。疑い病名のままで検査を続けている場合や、屯服の記載のしかたなど、日頃の請求で判断に迷いやすいところが並んでいる印象です。

レポートの区分と、対象になるレセプト

一覧表の冒頭に、区分の意味が説明されています。「検証前」は機械的に抽出した段階で検証中のもの。「要フォローアップ」は検証した結果、取扱いに差異があるとされたもの。ほかに「検証後(差異なし)」「検証後(差異解消事例)」「検証後(少数事例)」「検証不要(少数事例)」「検証不要(差異なし等)」があります。確認した206事例の内訳は、検証後(差異解消事例)が76件、検証後(少数事例)が51件、要フォローアップが30件、検証前が20件、検証不要(差異なし等)が16件、検証後(差異なし)が13件でした。対象になるのは、条件に当てはまるレセプトが1年間で2,000件以上になる事例とされています。また対象レセプトは、AIによるレセプト振分機能で「目視対象」となったもので、振分機能の導入前(令和3年8月審査分以前)は全レセプトが対象、と説明されています。全国で年間10件未満の事例などは検証不要の扱いです。つまり、ここに載っていない取扱いが問題ない、という意味ではありません。

院内での使い方と、気をつけること

使い方は控えめに考えるのが無難です。まず、今回の7事例は検証前ですので、機構への問い合わせや再審査の申出は控えるよう求められています。次に、一覧の「認めない」という記載は、審査上の一般的な取扱いを示したものであって、個々の診療の当否を決めるものではありません。自院で日常的に算定している検査や投薬が並んでいたら、病名と検査・投薬の対応がレセプトの上で説明できているか、コメントの記載が足りているかを事務と医師で一度見直す、という使い方が現実的です。見直しの結果、記載を補うだけで済むこともあれば、そもそも返戻や査定が起きていないこともあります。慌てて算定をやめる必要はありません。なお、レポートは都道府県別の件数を見る作りになっていますので、他県との比較だけで自院の請求が誤っていると判断しないでください。施設ごとに患者層も診療内容も違いますので、ここに書いた内容をそのまま当てはめず、一覧表で自院に関係する事例を確かめたうえで判断してください。請求内容の点検の進め方や、院内での手順書づくりについては、アイジェイネットでもご相談を承っています。

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